人に言われなくても自然とできてしまうことを仕事にしたい。

ずっと私にはやりたい事があると思っていた。

学校の成績が良かった私は「せっかくだから良い大学に行っておけ」という先生の言葉におされ、田舎から上京して大学に進学した。「親にがんばって大学に行かせてもらったんだから、社会の役に立たなくてはいけない」と思っていた。だから「社会の課題を解決する仕事≒私がやりたい事」と思い込んでいた。 

 

一社目は「社会課題の解決に取り組む」ことを謳う事業会社に就職した。二社目は非営利セクターに飛び込んだ。事業の責任者として数年関わらせていただいたが、ある日「仕事に飽きている自分」に気づいた。「やりたい事をやっているはずなのに、気持ちは全然楽しくない、どうして・・・」と一人パニックになった。

 

見かねた上司が「部署異動」を提案してくれたが、「それで何がやりたいの?」という言葉に上手く答えられず、「異動」の話もうやむやのまま、自然消滅した。

 

結果的に同じ仕事を続けることになったが、もはや燃え尽きてしまった私は仕事が手につかなくなり休職した。ドラッカーが「燃え尽きたという事は単に飽きているのだ」と言っていたように思うが、本当にそうだ。

 

休職中、色々な事を考えていた。結局、どんな仕事だって「社会の課題を解決したり、人びとを笑顔にしている」から「仕事」なのだ。私は「大学に行っているのに、やりたい事がない自分」でいる勇気がなかったのだ。

 

やりたい事はないけれど、私は言われなくても「同じ営業チームの元気のなさそうな後輩に声をかけたり」「資料を分かりやすいようにまとめたり」できる、そして、周りからも「ありがとう」と言ってもらえる。

 

「人に言われなくても自然にできてしまう事で、人から感謝される事を極めたい」と思っているし、それが今の私のやりたい事だ。